テンション・リダクション効果とは
インターネットのショッピングサイトで、デジタルカメラを買うとします。
コンパクトなのにするか、思い入って一眼レフにするか、メーカーはどうしようか、など決めかねているとき、人は僅かでも緊張(テンション)しています。
時間をかけて購入するデジカメが決まって、ショッピングカートに入れます。
決まるものが決まって、緊張が減少(リダクション)されました。
マーケティングの集客を狙うのに必要な心理技術の、テンション・リダクション効果は、この瞬間を狙ったものです。
「こちらの商品もいかがですか?」
カートを入れた画面を見てみれば、カメラケース、SDカード、保護フィルムなど、購入商品に必要となるものを勧められているはずです。
買うものも決まり、ホッと緊張を解いたことで、緊張(テンション)が減少(リダクション)、つまり無防備の状態になっています。
そのときに「こちらの商品もいかがですか?」と追加セールスをされると、ついでにと買ってしまう確率がグッと高まります。
このように、購入しようと気を緩めた瞬間を狙って、もう一つのものをセールスする心理技術をテンション・リダクション効果といいます。
刑事も使う心理技術
ところで、刑事ものドラマで、犯人に話を聞いて帰ろうとしたら、
「あ、最後にもうひとついいですか?」
と急にくるりと振り向いて、質問をする場面を見たことがありませんか?
これも、質問が終わったことで犯人の緊張が解かれた瞬間を狙った、テンション・リダクション効果を上手く使った心理テクニックです。
ビジネスの場面で商談が終わったときのホッとしたタイミングで、ドラマの刑事のように「ところで」と話を切り出してみれば思わぬ成果があるかもしれませんね。
マーケティングにどう使うのか?
マーケティングで使える例をあげると、購入された人にサンキューメールを送ります。
そのときに「こんな商品もありますが、どうでしょう?」と関連商品を付け加えてみるといいでしょう。
一度商品を買われたことで気が緩んでいますし、サンキューメールの効果で集客が増えるかもしれません。
ただし、その商品は、買われたものよりも安いものにしてください。
デジタルカメラを買った人に、「もうひとつデジカメどうですか?」とお勧めしても追加で購入してくれる人は多分いないです。